細胞の活動をラベルフリー・リアルタイムで簡単に測定
MAESTRO PRO/EDGE は in vitro で細胞の活動をリアルタイムに測定します。マルチウェルフォーマットのプレート底面に埋め込まれた平面電極による測定は、細胞へのダメージが少なく、ラベルフリーで、細胞の活動や変化を経時的に観察することが可能です。
簡単
ハードウエアの操作はボタン1つのみ。専用ソフトを操作するだけで測定が可能です。
ラベル・フリー測定
プレート底の平面電極を用いて測定を行います。細胞を傷つけず、蛍光色素等の使用も不要。細胞に毒性を与えず、長期間、安定した状態での測定が可能です。
温度・CO2 濃度コントローラ搭載
プレート搭載部分は、温度・CO2 濃度が制御されたミニ・インキュベータになっています。安定した環境で長時間の測定が可能です。
プレートバーコードリーダー搭載
専用プレートにはバーコードが付与されており、装置内のリーダーで認識されます。取得されたデータの管理が容易です。
同一プレートでの培養~測定
プレート上で直接細胞を培養しデータを測定します。容器間の移動が不要で、細胞への負荷を最小限に留めます。
ユーザーフレンドリーなソフトウエア
専用ソフトウエアにより、データ測定から解析まで対応します。
- 768ch データ取得システム
- 液晶タッチパネル搭載。環境温度、ヒートマップを表示
- MEA プレート : 6、24、48、96 well 対応
- インピーダンスプレート : 96、384 well 対応
- 384ch データ取得システム
- MEA プレート : 6、24 well 対応
- インピーダンスプレート : 96 well 対応
プレートの選択により、2種類のアッセイが可能です
MEAアッセイ
神経・心筋細胞の電気的な活動を、ハイスループット環境で簡単に測定・解析
MEA(マイクロエレクトロード・アレイ)プレートの各 well 底には、複数の平面電極が埋め込まれています。電極上に神経細胞・心筋細胞などの興奮性細胞を培養し、電気的な活動(細胞外電位)を測定します。
ソフトウエア・モジュール
神経モジュール - 神経細胞からのシグナルを測定・解析します
心筋モジュール - 心筋細胞からのシグナルを測定・解析します
MEA Viability- MEA 電極への細胞の被覆、接着を測定し生存率を測ります
MEA Automation- リキッドハンドリングシステムとの API です
アプリケーション例
- 神経・心筋細胞の機能評価
- iPS 細胞由来神経・心筋細胞分化評価
- 神経毒性評価
- 心毒性評価
- 痛み研究
- 網膜
- 神経共培養・神経筋共培養
- 2D、3D (オルガノイドなど) 培養
インピーダンスアッセイ
細胞の増殖・傷害・形態変化を経時的に連続して測定・解析
インピーダンス測定用プレート上に細胞を培養し、細胞の電極への接着によるインピーダンス変化を測定します。長期間に渡る細胞の増殖・傷害などをラベルフリーでトラッキングし数値化します。
ソフトウエア・モジュール
インピーダンスモジュール - 細胞接着による電極インピーダンス値を測定・解析します
GxP インピーダンスモジュール - FDA 21 CFR Part 11 準拠のアッセイに対応します
Impedance Automation モジュール - リキッドハンドリングシステムとの API です
アプリケーション例
- 免疫細胞キリングアッセイ
- がん免疫研究
- 細胞傷害アッセイ
- 細胞バリア機能評価
- ウィルス感染価評価
- 細胞増殖アッセイ
- GPCR
MEAシステム
神経・心筋細胞の電気的機能評価は、創薬・生理学研究において重要な役割を示す一方、実験の難しさ・煩雑さが課題になっていました。MAESTRO MEA ( マイクロエレクトロード・アレイ ) システムは、マルチウェルフォーマット MEA プレートの各 Well 底に埋め込まれた平面微小電極から細胞の電気的な活動 ( 細胞外電位 ) を検出することで、これらの課題を解決しました。困難な電極操作は一切不要。最大 96 サンプルまで同時に電気的な活動を測定し、専用ソフトを用いて全サンプルを一括解析します。電気生理未経験の研究者の方にも簡単に実験・解析をして頂けます。
MAESTROによる細胞外電位測定
Step 1
- MEAプレート上に細胞を培養しま
す。
Step 2
- 一定期間培養の後、MEAプレートを
MAESTROに搭載し測定します。 - 測定はボタン操作とマウスクリックの
みで行います。
Step 3
- 付属ソフトでデータ解析します。
- 全サンプルからの解析値が簡単に得
られます。
MEA プレート
- 6、24、48、96 well フォーマット(SLAS準拠) よりご選択頂けます。
- 全電極から刺激の印加も可能で、1部プレートには大容量刺激印加専用電極が装着されています。
- MAESTROによる自動バーコード認識に対応しています。
- 外構に滅菌水を入れることで、湿度保持が可能です。
CytoView MEA プレート
- 底面が透明で電極上の細胞の観察が可能です。
- PEDOT電極により、高いS/N比が得られます。
BioCircuit MEA プレート
- 細胞懸濁液を電極部に留めるSpotting Guideが装着されています。
- ローコストなプレートです。
LUMOS MEA プレート
- 光刺激装置 LUMOS 対応の専用プレートです。
- 透明底面と光焦点対応の蓋が特徴です。
MEA プレート一覧表
LUMOS
- 24、48、96 well フォーマットの光刺激装置です。
- MEA プレートの各 well に4波長(96 well は 2 波長)の刺激照射が
可能です。 - 専用ソフトにより簡単に操作して頂けます。
MEAシステム
神経細胞アプリケーション
MEA プレート上に培養された神経細胞の発火(スパイク)を検出、解析します。複数電極からの同時測定により、個々の神経細胞の活動のみならず、神経ネットワークとしての活動の評価が可能です。
神経毒性評価
ハイスループット環境下で神経活性化合物のスクリーニングが可能です。神経発火頻度に基づいた神経活性化の評価に加え、多点同時測定によって得られるネットワークバースト (well 内の同期バースト)は、痙攣どの誘発及び抑制の検証に有用です。
2 枚の MEA プレートを用いて 16 の神経活性化合物 (n=6) を評価した。図は、ピクロトクシン投与時結果の1部を示す。投与により、ネットワークバーストの頻度の上昇と、持続時間の延長が見られた。また、ネットワークバースト内スパイク数の濃度依存的な上昇も得られた(右図)。
疾患モデリング
平面電極による測定は、長期間に渡る神経細胞発達の観察を可能にします。iPS 細胞由来神経細胞の機能評価、疾患モデルとコントロールモデルの比較などにも大変有用です。
アルツハイマー疾患モデルと健常者モデルの iPS 細胞由来神経細胞にて、発火、ネットワーク形成を 52 日間に渡り測定した。
健常者モデルの神経細胞からは多くの発火が得られ、DIV52 にてネットワークバーストの形成が見られた。一方、疾患モデル細胞からの発火数は少なく、ネットワークバーストの形成は見られなかった。
Woodard CM, et el. Cell Rep, 2014
心筋細胞アプリケーション
MEA プレート上に培養された心筋細胞から拍動シグナルを測定します。同一サンプルより、Field Potential ( 細胞外電位測定 )、LEAP、Conctractility の3種類のシグナルが測定可能です。
Field Potential ( 細胞外電位測定)
心筋細胞の活動電位による細胞外電位の変化を測定します。専用ソフトにより、Field Potential Duration (FPD)、拍動間隔、伝播速度などの解析が容易に行えます。
心毒性評価
検出された Field Potential 波形
と FPD 延長(水色)
波形変化による心毒性評価の事例。Moxifloxacin の投与による FPD の延長 ( 左)、Nifedipine による FPD の縮小 ( 中央 )、Mexiletine による脱分極スパイク振幅値の減少 ( 右 ) が濃度依存的に得られた。またそれぞれの現象は異なる3施設にて再現された。 (CiPA パイロットスタディより、Millard, et. el. Toxicol Sci, 2018)
伝播速度 LEAP (Local Extracellular Action Potential)
Contractility
MEAシステム
ソフトウエア
専用ソフトウエア AxIS Navigator で、データ測定・解析・結果のエクスポートが可能です。直感的で簡単な構成のソフトエアは、初心者の方にも安心してご使用頂けます。付属のオフラインソフトウエアを用いて、解析結果のグラフ化、レポートの作成も可能です。
リアルタイム・モニタリング
- 煩わしい事前ワークフロー設定などは不要。1クリックで測定を開始して頂けます。
- 全電極において、生波形・検出されたスパイクシグナルが、リアルタイムで表示されます。
- データのヒートマップ表示により、各wellの活動が容易に把握できます。
神経モジュール
- 各 well毎に、検出された神経スパイク、well内ラスタープロットが表示されます。
- バースティング活動がリアルタイムで検出、表示されます。
心筋モジュール
- 各 well毎に、検出された拍動シグナルと、伝播マップが表示されます。
- 拍動間隔、拍動間隔ポアンカレプロット、拍動頻度、FPD、伝播速度などがリアルタイムで検出・表示されます。
オフライン解析ソフト
Neural Metric Tool
- 神経スパイク、バーストなどを80以上の指標で解析し、解析結果をエクスポートします。
Cardiac Analysis Tool
- Tフェーズのタイムポイント、Golden Channelの自動選択により、FPD 解析が簡単に進められます。
AxIS Metric Plotting Tool
- Well 毎に得られた解析値をグラフ化します。薬剤投与などによる変化が簡単に確認できます。
- グラフ数値のエクスポートが可能です。
MEA Viability モジュール
MEA 電極からインピーダンスを測定し、細胞の電極への被覆や生存率を数値化します。同一電極からの細胞外電位とインピーダンスの両測定は、細胞の電極への接着の確認、神経毒性(心毒性)と細胞毒性の識別などに大変有用です。
MEA Viability による細胞毒性評価
測定されたインピーダンス値はヒートマップにて表示されます。iPS 細胞由来神経細胞に複数種の細胞毒性化合物を投与したところ、インピーダンスの減少が見られました。
インピーダンス測定システム
インピーダンスプレートと専用ソフトウエアモジュールを用いてインピーダンスアッセイが可能です。細胞と電極の接着インピーダンスの変化により、細胞の状態の変化をラベルフリー、リアルタイム、且つ連続して測定します。多くのエンドポイント・アッセイは、細胞増殖やキリングの過程でおこる重要なイベントを見逃しがちです。インピーダンスアッセイによる経時的な測定は、これらのイベントを見逃しません。
MAESTROによるインピーダンスアッセイ
インピーダンスプレート
CytoView Z プレート
- SLAS準拠の96 well、384 well プレートです。
- 96 well プレートの well 内中央部には覗き窓があり、細胞の観察が可能 です。
ソフトウエア
- 専用ソフトAxIS Zで、データ測定、解析、解析結果
のエクスポートが可能です。 - 取得されたインピーダンスの変化を、リアルタイムで
グラフ表示します。
アプリケーション例
仕様
https://www.axionbiosystems.com/ja/products/systems/maestro-pro